伏線回収が気持ちいい「かがみの孤城」辻村深月
ここ最近読んだ本の中で一番おもしろかった!
ストーリーの設定と7人の人間関係やそれぞれの個性が魅力的で、どんどん読めた。
なにより伏線回収がすごい!
ストーリーの落ちとなる部分は予想した通りだったけど、それまで出されてきたたくさんのヒントにはこころの説明で後からわかって、とても気持ちよかった。
わたしは22歳っていう年齢だからか、この本を読んだ目線としては半分子供の気持ち、半分親の気持ちで読んでしまった。
主人公のこころの気持ちで読んだとき、この本を小学生の時や中学生の時に読みたかったと思った。
自分と感性によりそった表現がされていたので、共感がもてて勇気が出たと思う。
「『暗黙のルール』を守らなきゃ」とか「浮かないようにしなきゃ」って考えてた。
でも、個性豊かな7人のかがみの孤城のメンバーのように「ふつじゃなくていい」んだろうなぁ。
今の自分の考え方にも響くものがあった。
こころの親目線で読んだとき、こころが学校に行かなくなった理由を話した場面、私は涙が流れた。
こころが自分の子だったらと思うと、「ごめんね」とか「がんばったね」とか「話してくれてありがとう」って言いたくて、悔しくて、嬉しくて、こころをぎゅっと抱きしめたくなった。
自分にこどもができた時、なにができるかな。
なにを聴いてあげられるかな。
喜多嶋先生のようなこどもの気持ちに寄りそえる人になりたい。
読み終わって、さすが本屋大賞をとった本だなって思った。
辻村さんの作品をぜひまた読みたいし、いろんな人にこの本を読んでほしいと思った。